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水星を探そう

〜水星の見ごろはいつ?〜

水星が見ごろ

図1 2007年6月2日 19時30分ころの西の空
図1 2007年6月2日 19時30分ころの西の空
星図作成 : AstroArts StellaNavigator

2007年6月上旬に、水星が見ごろをむかえます。夕方の水星としては、今年一番の見ごろです。

ご存知のとおり、水星は太陽から一番近い惑星、肉眼で見える明るさにもかかわらず、なかなか見ることができない惑星です。 太陽から一番離れても、30度弱、こぶし3つ分程度しか離れません。 かく言う私も、肉眼では水星を見つけたことがありません。まず双眼鏡で見つけ、場所を確認してから肉眼で探す、という方法でようやく見えます。

聞くところでは、コペルニクスは水星を見たことがなかったとか。それだけ見づらいということでしょうか。

そんな水星ですが、2007年6月上旬には、太陽から23度ほど離れ、日の入り後30分で高度14度、目のいい人なら肉眼でも、双眼鏡があれば楽に見つけることができるでしょう。 水星の上20度くらいには、とても明るい金星も見えていて、太陽の沈んだあたりと、金星を結んだ線の真ん中あたりに、水星が見えるはずです。

水星の見ごろの時期は?


図2 内惑星の動きと見え方
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水星は88日で太陽の周りを回ります。地球から見ていると、太陽の東側、西側と行ったり来たりしているように見え、太陽の東側にいるときは夕方の西の空、西側にいるときは明け方の東の空、に、見えることになります。

水星が太陽の周りを一周する間に、地球も90度近く太陽の周りを動きますから、水星との平均会合周期は115.9日。4ヶ月弱の間に、太陽の東側に行ったり、西側に行ったり、忙しい星です。

水星の見ごろは、最大離角と呼ばれるころ。 太陽に近い惑星ですから、太陽から一番離れたころしか見ることができないわけです。

1会合周期の中に、最大離角は2回あります。東側に離れる東方最大離角、西側に離れる西方最大離角。詳しくは「今日の星空〜内惑星たち〜」をどうぞ。

夕方での水星の見ごろは、太陽の東側に来る、東方最大離角のころです。

今年一番の見ごろ?

さて、水星は4ヶ月ごとに見ごろをむかえるわけですが、2007年6月が、2007年一番の見ごろ、とは、どういうことでしょうか。

表1 2007年水星の最大離角
日付離角(度)方向
 2月 8日18.2東方(夕 方)
 3月22日27.7西方(明け方)
 6月 2日23.3東方(夕 方)
 7月21日20.3西方(明け方)
 9月30日26.0東方(夕 方)
11月 9日19.0西方(明け方)

上の表は、2007年の最大離角をまとめたものです。こうしてみてみると、時期によって、太陽との角度、最大離角がだいぶ違うのが分かります。2月と3月では、10度も違っていますね。

図3 2007年2月と3月の水星と地球の位置
図3 2007年2月と3月の水星と地球の位置
星図作成 : AstroArts StellaNavigator

これは、水星の軌道が結構な楕円のために起こります。 右の図は、上の表の2月と3月の最大離角のときの地球、水星の位置関係図です。

こうして見て分かるほど、水星の軌道は楕円になっていて、 2月は太陽に近い場所、3月は太陽から遠い場所で最大離角となります。 そこで、角度で10度も違ってしまうのです。

水星は太陽に近いですから、太陽から少しでも離れたほうが見やすくなります。 そこで、2月よりも6月のほうが、より見ごろ、ということです。

でも、9月のほうが・・・

でも、今の説明はなんだか変です。 上の表をよく見ると、6月よりも9月の最大離角のほうが、 もっと離れているのですから、今の説明でいくと、一番の見ごろは9月のはずです。

水星や金星、内惑星の場合は、太陽からの角度も大事ですが、 それとは別に、もうひとつ大事な要素があります。それは、地平線からの角度(=高度)  内惑星は太陽から離れないがために、日の入り後、日の出前の少しの間しか見ることができません。その少しの間でも、できるだけ高度があるときの方が、より見やすいわけです。

図4 2007年6月と9月の、日没30分後の水星の高度
図4 2007年6月と9月の、日没30分後の水星の高度
星図作成 : AstroArts StellaNavigator

右の図は、6月と9月の、日の入り後30分たったころの西の空です。 太陽からの角度は、6月よりも9月のほうが大きいはずなのに、 地平線からの高さは、9月のほうがずっと低いですね。 どうしてこんなことになるのでしょうか。

その理由が、右の図にも描かれています。黄色い線です。 これは、太陽が空を移動していく線、黄道と呼ばれる線です。 6月と9月では、明らかに傾き方が違っています。9月のほうが、角度が小さいですね。

水星も、この黄道の近くを動いていますから、地平線と黄道との角度が小さくなると、いくら太陽から離れても、 地平線からの高さはあまり高くならない、ということです。 それで、9月のほうが高度がずっと低かったのです。

お昼ごろの太陽は、夏に空高く、冬は低くなります。 その変化が、地球に季節をもたらしているわけですが、 それは、水星の見ごろにも影響を与えます。

6月下旬に夏至を迎える太陽は、一番北寄りに沈んでいきます。 そこから季節が進むにつれて、どんどん南のほうへ移動して、 冬至のころ、一番南寄りに沈みます。 太陽が沈むときの、黄道と地平線の角度も、季節によって変化し、冬から夏にかけては大きくなり(春分の日のころが最大)、 夏から冬にかけては小さく(秋分の日のころが最小に)なります。

表2 2007年〜2015年の 日本での水星のみごろ(夕方)
日付地平高度
(日没後30分)
離角(度)
2014/5/2613.822.6
2008/5/1513.821.7
2007/6/ 313.623.3
2015/5/ 813.621.1
2009/4/2713.120.3

上の表は、2007年から2015年までの、日没後30分の水星高度トップ5です。 5月前後に集中していますね。2007年6月は、ベスト3に入っています。

日本で夕方、水星を見るなら5月、というところでしょうか。

コペルニクスと水星

黄道と地平線の角度は、その場所の緯度によっても変わります。 冬から夏は角度が大きく、夏から冬が角度が小さいということは、 季節が逆になる北半球と南半球では、同じ日でも黄道と地平線の角度の大きさが逆になりますし、 北半球でも、緯度が高くなれば、その分小さくなります。

表3 2007年〜2015年の 水星の東方最大離角トップ5
日付地平高度
(日没後30分)
離角(度)メルボルンでの
地平高度
(日没後30分)
2009/8/255.227.420.2
2010/8/ 86.627.319.8
2015/9/ 54.527.120.0
2008/9/124.226.819.8
2011/7/218.726.818.2

上の表3は、表2と対になるもので、2007年から2015年までの水星の東方最大離角トップ5です。 水星の軌道の関係から、9月前後に集中しています。地球から見て、太陽の東側で一番離れるのがちょうど9月くらいのようですね。 日本では高度が低いですが、南半球では、季節が逆になりますから、水星を見るのに一番いい時期です。 高度を計算すると、日没後30分で20度(!)もあります。水星を見るのは南半球のほうがいいようですね。

コペルニクスは、今のポーランドの生まれ、研究活動はイタリアで行ったようです。 イタリアでも北緯40度くらい、ポーランドは北緯50度くらいですから、 水星の高度も日本よりも2〜3度低く、見られなかったのも仕方のないことなのかもしれませんね。

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